■ はじめに
亡くなった方が手書きで残した遺言書。
「見つけたけれど、
このあとどうすればいいの?」
この手書きで書かれた遺言書(自筆証書遺言)は、
公正証書遺言や法務局保管の遺言書とは違い、
そのままでは相続手続きに使えません。
家庭裁判所で「検認」という手続きを
受ける必要があります。
このページでは、
検認の手続きについて、
流れや必要な書類をまとめました。
■ 検認とは
検認は、家庭裁判所が
遺言書の状態を確認して、
記録に残す手続きです。
「遺言書がたしかに存在すること」
「どのような状態であるか」を
公的に記録するものです。
注意していただきたいのは、
検認は遺言書の内容が
正しいかどうかを判断するものではない、
ということです。
「この遺言は有効です」と
お墨付きをもらう手続きではなく、
あくまで「こういう遺言書がありました」と
記録する手続きです。
■ なぜ検認が必要なの?
検認には、
遺言書の偽造や変造を防ぐ
という目的があります。
検認を受けずに遺言書を使って
相続手続きを進めることはできません。
不動産の登記も、
預貯金の解約も、
検認済みの遺言書でなければ
受け付けてもらえません。
なお、公正証書遺言と、
法務局の保管制度を利用した自筆証書遺言は、
検認が不要です。
■ 検認の流れ
検認の手続きは、
おおまかに以下の流れで進みます。
【ステップ1:申立て】
遺言書を発見した方や保管していた方が、
家庭裁判所に検認の申立てをします。
申立て先は、
亡くなった方の最後の住所地を管轄する
家庭裁判所です。
【ステップ2:検認期日の通知】
申立てを受けた家庭裁判所から、
相続人全員に検認期日の通知が届きます。
申立てから検認期日まで、
通常1〜2か月程度かかります。
【ステップ3:検認期日】
検認期日に家庭裁判所へ出向き、
裁判官の立ち会いのもとで
遺言書を開封し、内容を確認します。
相続人全員に通知が届きますが、
全員が出席する必要はありません。
欠席しても、手続きは進められます。
ただし、申立てをしたご本人は、
遺言書を持参して必ず出席してください。
【ステップ4:検認済証明書の取得】
検認が終わると、
遺言書に「検認済」の証明が付されます。
「検認済証明書」を申請して取得してください。
(手数料は遺言書1通につき150円です)
この検認済証明書がついた遺言書で、
相続登記や預貯金の解約などの
手続きを進めることができます。
■ 申立てに必要な書類
検認の申立てには、
以下の書類が必要です。
・検認申立書(家庭裁判所の書式)
・遺言書(封がしてある場合はそのまま)
・亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
・相続人全員の戸籍謄本
・収入印紙800円(申立て手数料)
・連絡用の郵便切手(金額は裁判所により異なります)
戸籍謄本の収集は、
相続手続きの中でも
一番手間のかかる作業です。
司法書士にご依頼いただければ、
戸籍の収集から申立書の作成まで
お手伝いいたします。
■ 開封してしまった場合
「検認を知らずに開封してしまった」
そういう方も、実はたまにいらっしゃいます。
開封してしまっても、
遺言書が無効になるわけではありません。
亡くなった方の意思は、
ちゃんと尊重されます。
開封してしまった場合でも、
そのまま家庭裁判所に持参して、
検認の申立てをしてください。
もちろん、だからといって
開封してよいわけではありません。
他の相続人との無用なトラブルを避けるためにも、
見つけたときはそのまま保管しておくのが原則です。
もし開封してしまった場合は、
それ以上手を加えず、
できるだけ早く検認の手続きに進んでください。
■ 検認にかかる時間
申立てから検認期日まで、
通常1〜2か月程度かかります。
さらに、戸籍の収集や
申立書の準備にも時間が必要です。
相続手続き全体のスケジュールに
影響しますので、
遺言書が見つかったら
できるだけ早く動き始めることをおすすめします。
特に、相続放棄を検討している場合は、
「相続を知った日から3か月以内」
という期限がありますので、
注意が必要です。
■ 検認が終わったあとは
検認が済んだら、
遺言書の内容にしたがって
相続手続きを進めていきます。
不動産の相続登記、
預貯金の解約、
有価証券の名義変更など、
検認済証明書つきの遺言書を使って
各手続きを行います。
検認が終わったあとの進め方に迷ったら、
どうぞご相談ください。
翔栄法務司法書士事務所
TEL:03-5452-0885
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