公正証書遺言のつくり方|必要書類・費用と当日の流れを司法書士が解説

「遺言書をつくりたいけれど、何から始めればいいかわからない」。そんな声をよくいただきます。遺言書の種類を調べて、書き方を見て、公証役場を探して……考えることが多くて、つい後回しになってしまう。その気持ち、よくわかります。

でも実際には、司法書士にご相談いただくと、思っているよりずっとスムーズに進みます。

当事務所では、遺言書の作成方法として公正証書遺言をおすすめしています。理由はひとつ。残されたご家族が、迷わず、すぐに手続きを進められるからです。

公正証書遺言が選ばれる理由

  • 形式不備の心配が少ない
  • 原本が公証役場に保管される
  • 家庭裁判所の検認が不要
  • 金融機関の手続きが早い

実務上、もっともスムーズな方法です。このページでは、公正証書遺言をつくるまでの流れと、必要書類、費用の目安をまとめました。

まずは「何を、誰に」

最初に考えることは、とてもシンプルです。自分の財産を、誰に渡したいか。それだけです。

きっちり決まっていなくても大丈夫です。「自宅は妻に」「預貯金は子どもたちへ」——このくらいのイメージで十分です。財産の整理も、ご相談のなかで一緒に進めることができます。

公正証書遺言をつくる流れ

ステップ1:ご相談

まずはお話をお聞きします。財産のこと、ご家族のこと、渡し方、気になっていること。この段階では資料が揃っていなくても大丈夫です。「だいたいこんな感じ」で構いません。

ステップ2:文案の作成

ご相談内容をもとに、司法書士が遺言書の文案を作成します。法律的に正確で、あとから困らない形に整えます。内容は、納得いただけるまで調整します。

ステップ3:公証人との事前調整

文案が固まると、公証人との事前確認に進みます。公正証書遺言は、作成前に公証人から内容確認のための資料提出を求められます。戸籍や不動産資料など、内容に応じて必要な書類が決まります(くわしくは、この下の「必要書類の目安」にまとめました)。

「何を準備すればよいか」は、ご相談の内容に合わせてこちらで整理し、順番にご案内いたします。最初からすべて揃っていなくても大丈夫です。お話をうかがいながら、必要なものをひとつずつ整理していきます。

ステップ4:公証役場で作成

日程を決めて、公証役場で作成します。証人が2人必要ですが、こちらで手配することもできます。当日は公証人が内容を読み上げ、ご本人が確認・署名します。所要時間は30分ほどです。当日の持ち物は実印(と本人確認の資料)くらいで、身軽にお越しいただけます。

外出が難しい場合は、公証人にご自宅や施設へ出張してもらうことも可能です。

【2025年10月から】手続きのデジタル化が始まりました。公正証書の原本が電子データで作成・保管されるようになり、条件を満たせば、ウェブ会議を利用して自宅や施設からリモートで作成できる場合もあります(対応する公証役場から順次拡大中。パソコンが必要で、公証人が相当と認めた場合に限られます)。「公証役場まで出向くのが難しい」という理由であきらめていた方にも、道が開けています。

ステップ5:完成

原本は公証役場に保管されます。正本・謄本がお手元に届きます。これで完了です。

必要書類の目安

よく使う書類を、目安として一覧にしました。遺言の内容によって増減しますので、「うちの場合は何が要るのか」は、ご相談のときにこちらで整理してご案内します。この表を見て「大変そう」と感じても、ご安心ください。

なんのため書類
ご本人の確認印鑑登録証明書(発行から3か月以内)と実印
渡す相手との関係の確認戸籍謄本(遺言者と相続人の続柄がわかるもの)。相続人以外の方に渡す場合は、その方の住民票など
不動産があるとき登記事項証明書、固定資産評価証明書(または毎年届く課税明細書)
預貯金・有価証券など通帳のコピーや、金融機関名・支店名のメモで足ります
証人について証人2名の氏名・住所・生年月日・職業のメモ(当事務所で手配する場合は不要です)

戸籍や登記事項証明書など、取得を当事務所で代行できる書類も多くあります。「役所を回るのが大変」という方は、遠慮なくお申し付けください。

費用の目安

公証人手数料

財産額に応じて、法令で定められています。

財産額手数料
1,000万円以下17,000円
3,000万円以下23,000円
5,000万円以下29,000円
1億円以下43,000円

※1億円以下の場合は、+11,000円が加算されます。
※相続人ごとに計算されるため、実際の金額は変動します。
※最新の金額は日本公証人連合会の手数料一覧でも確認できます。

司法書士報酬

文案作成、公証役場との調整、証人手配などを含めて、事務所によって異なりますが、目安として5万円〜15万円程度です。内容をお聞きしたうえで、お見積りいたします。

よくある質問

結局、全部でいくらかかりますか?

大きくは「公証人手数料+司法書士報酬+書類の実費(戸籍や証明書の取得費で数千円程度)」の3つです。財産の内容や遺言書の分量によって変わりますので、一律には申し上げられませんが、ご相談のときに内訳を示してお見積りいたします。お見積りの段階で費用がすべて明確になりますので、「あとから思わぬ請求が来る」という心配はありません。

証人を家族に頼めますか?

実は、頼めません。法律で、相続人になる予定の方や、遺言で財産を受け取る方、その配偶者やお子さんなどは、証人になれないと定められています(内容を知る利害関係者だからです)。ご友人などに頼むこともできますが、遺言の内容を知られてしまいます。当事務所では、守秘義務のある証人を手配できます(2名で3万円+交通費)。内容を身近な方に知られずに済みますので、多くの方がこちらをお選びになります。

遺言書は、何歳ごろから準備するものですか?

法律上は15歳からつくれますが、実際にご相談が多いのは、50代から60代、70代、80代の方です。お子さまの独立、退職金の受け取り、ご自宅のことなど、財産と家族のかたちが見えてくる時期だからです。大切なのは年齢よりも、内容を理解し、判断できる元気なうちにつくること。「そろそろかな」と思われたときが、ちょうどよいタイミングです。

つくったあとに変更できますか?

はい、いつでも変更できます。新しい遺言書を作成すれば、前の内容は上書きされます。家族構成や財産の状況が変わったときには、見直しをおすすめします。

夫婦で一緒につくれますか?

遺言書は、1人ずつ作成する必要があります。ただし、ご夫婦で同じタイミングで、それぞれの遺言書をつくることはよくあります。

認知症の心配がありますが、つくれますか?

遺言書をつくるには、ご本人にその内容を理解する力が必要です。症状が進むとつくれなくなることがあるため、気になる方は早めにご相談ください。

おわりに

遺言書をつくることは、特別なことではありません。家族のために、気持ちを形にしておく。それだけのことです。難しく考えなくて大丈夫です。

まずは、お話を聞かせてください。何を書けばいいか、費用はどのくらいか。30分の無料相談で、一緒に整理いたします。全国からオンラインでのご相談も可能です。

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翔栄法務司法書士事務所 TEL:03-5452-0885


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