相続手続きに必要な書類 ── 何を、どこで、どうやって集めるか

相続の手続きを進めようとすると、「こんなにたくさん書類がいるの?」と驚かれる方がほとんどです。

不動産の登記にも、預貯金の解約にも、保険金の請求にも、それぞれ書類が必要になります。しかも、手続き先によって求められる書類が微妙に違うこともあります。

このページでは、相続手続きで必要になる書類を整理して、どこで取れるのか、どんなことに気をつければよいのかをまとめました。

すべてを一度に集める必要はありません。「こういう書類が必要になるのか」と全体像をつかんでいただければ十分です。

ほぼすべての手続きで必要になる書類

書類をチェックするふみチュウ

まず、どの手続きでもほぼ共通して求められる書類が4つあります。

書類取得場所
1. 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本本籍地の市区町村役場(広域交付も可)
2. 相続人全員の現在の戸籍謄本各相続人の本籍地の市区町村役場
3. 相続人の印鑑証明書各相続人の住所地の市区町村役場
4. 遺産分割協議書相続人全員で作成(司法書士に依頼可)

1. 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本

相続手続きの基本中の基本です。亡くなった方が生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍を集めることで、法律上の相続人が誰なのかを証明します。

婚姻、転籍、改製などで戸籍が何通にもわたることが多く、集めるのに一番手間がかかる書類です。

取得場所:本籍地の市区町村役場
※2024年3月から「広域交付」制度が始まり、最寄りの市区町村窓口でもまとめて取り寄せられるようになりました。ただし、請求できるのはご本人・配偶者・直系のご家族(お子さん・親御さんなど)に限られ、窓口にご本人が出向く必要があります(郵送や代理人による請求はできません)。

注意点:亡くなった直後は、まだ死亡の記載が戸籍に反映されていないことがあります。死亡届の提出後、数日〜数週間ほど時間をおいてから請求してください。

2. 相続人全員の現在の戸籍謄本

相続人がそれぞれ現在も生存していることを証明するために必要です。

取得場所:各相続人の本籍地の市区町村役場

3. 相続人の印鑑証明書

遺産分割協議書に実印を押す場合に必要です。金融機関の手続きでも求められることがあります。

取得場所:各相続人の住所地の市区町村役場

有効期限:法律上の有効期限はありませんが、金融機関によっては「発行後3か月以内」や「6か月以内」と指定されることがあります。

4. 遺産分割協議書

遺言書がない場合や、法定相続分と異なる割合で相続する場合に、相続人全員で話し合った結果をまとめた書類です。相続人全員が署名し、実印を押印します。

不動産の登記だけでなく、預貯金の解約や有価証券の名義変更など、あらゆる相続手続きで必要になる大切な書類です。

なお、遺言書がある場合や、法定相続分どおりに相続する場合には、遺産分割協議書を作成せずに手続きを進めます。

不動産の相続登記で必要な書類

不動産の名義変更(相続登記)には、上記の共通書類に加えて、以下が必要になります。

亡くなった方の住民票の除票

亡くなった方の最後の住所を証明する書類です。

取得場所:亡くなった方の最後の住所地の市区町村役場

注意点:除票の保存期間は、2019年の法改正で5年から150年に延長されました。ただし、改正の前にすでに保存期間(当時は5年)が過ぎて廃棄されたもの──おおむね2014年より前に除票になった分──は、取得できない場合があります。その場合も代替の方法がありますので、取れなくても心配はいりません。

不動産を取得する方の住民票

新しく名義人になる方の住所を証明するために必要です。

取得場所:住所地の市区町村役場

固定資産評価証明書

不動産の評価額を確認するための書類です。登録免許税の計算に使います。

取得場所:不動産が所在する市区町村役場(東京23区の場合は都税事務所)

注意点:年度が切り替わると(毎年4月)、新しい年度の証明書が必要になることがあります。

なお、相続した不動産の名義変更(相続登記)は、2024年4月から法律上の義務になっています。期限や過料について、くわしくはこちらの記事をご覧ください。

相続登記の義務化とは?期限・過料10万円・今からやるべきこと

預貯金の解約・名義変更で必要な書類

金融機関によって多少異なりますが、一般的に以下の書類が求められます。

  • 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(または遺言書)
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 金融機関所定の届出書

金融機関ごとに書式が異なるため、事前に窓口やホームページで必要書類を確認しておくとスムーズです。

なお、金融機関の預貯金の相続による解約手続きは、司法書士に委任することもできます。「平日に銀行に行く時間がない」「金融機関がたくさんあって大変」「金融機関が探しきれない」という場合は、ご相談ください。

また、複数の金融機関で手続きする場合は、「法定相続情報証明制度」を利用すると、戸籍の束を何度も提出する手間を省くことができます。

法定相続情報証明制度とは

書類の集め方のコツ

まずは亡くなった当時の戸籍から

すべての手続きの出発点は、亡くなった方の死亡が記載された戸籍です。ここから出生に向かって遡っていくのが基本です。

届いている郵便物を確認する

固定資産税の納税通知書、金融機関からのお知らせ、証券会社からの明細など、届いている郵便物が手続き先を把握する手がかりになります。

コピーを多めに取っておく

戸籍謄本や印鑑証明書は、手続き先で原本を提出して返してもらえる場合もありますが、時間がかかることがあります。余裕があれば、多めに取得しておくと安心です。

有効期限に注意

印鑑証明書は、手続き先によって「発行後○か月以内」と指定されることがあります。早く取りすぎると期限切れになることもあるので、手続きのタイミングに合わせて取得してください。

おわりに ── まとめてお任せいただけます

書類の収集は、相続手続きのなかでも特に手間がかかる部分です。本籍地が遠方にあったり、古い戸籍が読みにくかったり、何をどこで取ればいいかわからなかったり。

「自分で全部やるのは大変そうだ」と思われたら、どうぞ司法書士にご相談ください。

戸籍の収集から、法定相続情報一覧図の作成、不動産の登記申請だけでなく、銀行口座の残高確認や解約・払い戻しの手続きも司法書士に委任することができます。口座の状況を先に把握しておくと、そのまま遺産分割協議に反映できるので、手続き全体がスムーズに進みます。

「登記だけでなく、銀行の手続きもまとめてお願いしたい」──そんなご依頼も、もちろん大歓迎です。まとめてお任せいただくことで、何度も書類を集め直す手間がなくなり、ご負担をぐっと減らすことができます。

費用の目安は、報酬等の目安のページに相続登記の総額モデルケースを掲載しています。

▶ 報酬等の目安を見る

▶ ご相談の流れを見る(準備は不要です)

翔栄法務司法書士事務所 TEL:03-5452-0885


あわせて読みたい関連記事

相続が発生したら最初にすること
遺産分割協議のポイント
相続登記の義務化とは?期限・過料10万円・今からやるべきこと
遺言書の種類と、見つかったときの対応
相続・遺言のこと(入口ページ)

相談はこちら

電話・メール・Zoom・来所、お好きな方法をお選びください。
初回30分は無料です。

相談方法を見る